テニスをしていて、肘が痛くなることはないだろうか?よくあるのは、肘の外側が痛くなることだ。
なぜ、外側?
それは、炎症による症状(上腕骨外上顆炎)についての原因と症状について簡単に説明していこう!後半は、上腕骨内側上顆炎について説明します。
原因:関節外の外側上顆を覆う骨膜部とそこに付着する伸筋腱の炎症が考えられる。また腱を構成する繊維の部分断裂ともいわれている。これは一定の外傷や筋の緊張で起こる。
症状:中年以降の40~50代の人に多い。テニス選手に多いのでテニス肘とも呼ばれる。
伸筋(総指伸筋、長短橈側手根伸筋)腱の付着部に強い痛みを訴え、時には自発痛や前腕への放散痛がある。手首を背屈して前腕を回旋するので、外側上顆部の筋起始に痛みが増強する。圧痛が常に外側上顆にあるが、肘関節そのものには疼痛も機能障害はない。
ここからは、詳しく説明していくぞ!難しい言葉も出てくるが、なんとなくでいいので頭に入れておくことをお勧めします。
目次
・疾患の概念
関節運動は筋肉の収縮が骨格を動かすことによって発生するが、中には強大な筋肉にもかかわらずその骨への付着部が極めて小さいものがある。この場合は筋肉から発した強大な牽引力が小さな筋付着部に集中し、しかも反復運動が繰り返されれば付着部線維組織の部分断裂を招く。これがいわゆる腱付着部症である。
テニス肘とは総指伸筋、長・短橈側手根伸筋、回外筋などが付着している上腕骨上外顆部にこの損傷が発生したものである。
テニス肘は肘関節の外側、時に内側、まれに後方の疼痛を主訴とする外側型、内側型、後方型の3つのタイプがある。そのうち、最も多い外側型は、40歳以後で体重が重く、プレイの回数が多いほどなりやすいといわれている。短橈側手根伸筋の起始部は上腕骨外側上顆だけでなく、側副靭帯を介し輪状靭帯にもあり、外側型に輪状靭帯部分断裂例の報告や関節炎の報告を見る。
またテニス選手のみでなく、家庭の主婦や労働者、ゴルファーなどでも肘関節伸展位で前腕回旋運動が繰り返される場合に発生する。
・症状
重い鞄を持ったとき、ドアのノブを回すときなどに該部の痛みを感じる。同時に圧痛、腫張を認め、チェアーテスト(いすの背を持って移動させるテスト)陽性。可動域制限はなく、X線も異常ない。
外側型は主にバックハンドストロークのインパクトの時に肘外側の痛みを生じ、内側型はフォアハンドストロークやサーブ、スマッシュの際に肘内側の痛みを生じる。
強く手を握ることや手関節を伸展する動作で肘外側に疼痛を生じる。また、圧痛が手根伸筋腱起始部にある。後骨間神経の絞扼性神経障害によるものでは、橈骨神経の回外筋入口部に圧痛を認め、橈骨神経の知覚固有領域に知覚鈍麻を認める。
・治療
過剰の牽引力が原因であるからまず局所の安静を励行する。具体的には疼痛をもたらす動作は屈曲筋を用いる方法で代行させたり、反対手で行うよう指導する。経皮吸収型鎮痛消炎貼り付け薬やプロカインとステロイドの局所注射も有効である。
約90%が保存療法で治癒するとされており、8ヶ月以上の保存療法に反応しない例で、運動痛に加えてきわめて強い持続する自発痛を訴える場合に手術的治療を考慮する。
局所の安静が必要で、手関節、手指の伸筋腱を弛緩した状態で装具や副子固定することがある。前腕中央部にバンドを巻くことも有効である。局所にはホットパック、超短波などの温熱療法を行ったり、副腎皮質ステロイドと局麻剤の混合局所注射を行うことがある。
急性期にはRICE 療法、疼痛が緩和すれば、ストレッチングから開始、等尺性収縮での筋力増強訓練を行う。
テニス競技復帰はテニスひじ用のバンドを装着する。
・手術方法
伸筋腱起始部の切離術のほか、短橈側手根伸筋腱延長術、短橈側手根伸筋の腱変性部切除術および腕橈関節内のsynovial fringeの切除。
・理学診断・評価
1外上顆部の圧痛検査
短橈側手根伸筋腱は総指伸筋腱に覆われて上腕骨外顆に起始するため、この起始部を母指で押さえ圧痛を調べる。短橈側手根伸筋腱は腱部分で外上顆に起始するため上腕骨外上顆炎(テニス肘)では腱の変性や骨膜付着部の炎症や微小断裂によりこの部に痛みを起こす。
2抵抗下手関節背屈テスト
ひじ回内位で握りこぶしを作らせ、抵抗下に手関節を背屈させると外上顆に疼痛が誘発される。
3中指伸展テスト
検者が抵抗を加えながら中指を伸展させると、外上顆に疼痛が誘発される。短橈側手根伸筋腱は第3中手骨基部背側に付着しており、中指の伸展で同筋が刺激され痛みが誘発される。
診断:ミドルフィンガーテスト…手をのばし中指だけ曲げる
重傷… 少し力を入れた状態で、痛みを感じる場合。
中傷… 強く力を入れた状態で、痛みを感じる場合。
軽傷…フィンガーテストに、痛みを感じないが、リストテストで痛みを感じる場合。
予備群…フィンガーテスト、リストテストとも痛みを感じないが、テニスプレーの後に肘に痛みを感じる場合。
・再発予防のためのケアおよびトレーニング
①.テニス肘誘発因子の排除
懲りすぎを避け、1日のプレイ時間を減らす。ゲームとゲームの間に休憩時間をとり、ゆったりとプレイする。
②.warming upとcooling down
プレイの前後に全身的な柔軟体操にくわえ、外・内側上顆に付着する筋群のストレッチを十分に行う。激しいゲームや長時間のプレイの後はicingを行う。
③.筋力強化訓練
治癒した後も継続する。テニス肘リハビリテーションのための運動を紹介。
↓台の端より手を出して屈曲した手を伸展屈曲させて、回内、回外方向に動かす。はじめは重り(W)なしで数回運動を行い休みをとる。1kgからはじめて耐えられるところまで重りを増やしながらこれを繰り返す、前腕バンドはつけなくても可能だが、つけたほうが効果はある。これは上腕骨内側上顆炎でも用いることができる。
またギブスを装着する場合もある。手首を使用しないで、炎症を抑えることができる。しかしあまり長期で用いると筋萎縮をきたし、回復が遅れる場合がある。
痛みが取れない場合は手術を行う必要がある。
④.至適なラケットの選択
ラケットが重すぎたり長すぎる場合や、ガットのテンションが強すぎると再発しやすい。
⑤.技術的な問題
テークバックが遅れ、打点が後ろになればなるほど肘への負担は増加し、ヒットポイントがラケットの中心からずれればずれるほど、テニス肘発生の危険性は高くなる。ラケットの重さや長さ、ガットのテンションを変えた場合は特に注意を要する。また、バックハンドストロークのインパクトを肘屈曲位で行えば短橈側手根伸筋に負担がかかりやすく、正しいフォームでストロークを行うことも重要である。
○参考文献
・整形外科学テキスト 南江堂
・標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 整形外科学 医学書院
・筋骨格系検査法 医歯薬出版株式会社
・運動器疾患とリハビリテーション 第2版 医歯薬出版株式会社
・臨床スポーツ医学 スポーツ外傷・障害の理学診断理学療法ガイド 2001 Vol.18
・標準理学療法学 専門分野 運動療法学 各論 医学書院
上腕骨内側上顆炎
原因:上腕骨内側上顆炎とは前腕の屈筋群と回内筋群の使い過ぎによって、肘の内側上顆部で腱や滑膜が炎症を起こす疾患である。
症状:上腕骨内側上顆炎
上腕骨内側上顆には屈曲・回内筋群が起始しており、前腕を回内しつつ屈筋を使って、急速に手関節を掌屈する運動の繰り返しにより、起始部に炎症を起こす。肘の内側から前腕屈筋に疼痛を生じる。
上腕骨内側上顆炎は物を持ち抱える様に作業をする方や前腕の屈筋群を酷使するスポーツ活動によく認められ、別名「ゴルフ肘」や野球肘(内側型)とも呼ばれている。
上腕骨内側上顆剥離骨折
上腕骨内側上顆についている腱が、筋肉の強い収縮とともに骨を引っぱるために、骨の一部がはがれてしまうこと。
内側側副靭帯損傷
くりかえし外反方向にかかる力で、内側側副靭帯が徐々に伸ばされて損傷する場合と、加齢や使いすぎによって変性した靭帯が、ストローク動作で断裂を起こす場合がある。
診断:手首を曲げる(屈曲)動作に抵抗をかけると肘の内側が痛くなる。
手首を内側に回す(回内)動作に抵抗をかけると肘の内側が痛くなる。
手首をそらす(伸展)ストレッチをすると肘の内側が痛くなる。
肘の内側を押さえると痛い。
前腕の屈筋群に腫れ熱感がある
治療:痛みが強い場合
保存療法…局所の安静肢位で保つ(スカッシュ・テニスをやらない。テーピング、湿布などをする)
アイシング
痛みが軽減されてきた場合
局所を温め、血流をよくする
手首の伸展ストレッチを行う。(20秒ほどゆっくり手掌面を伸展させる)
テニス肘でお困りなら、山梨県甲府市の整体院・整骨院信玄へお任せ下さい。
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