梨状筋症候群の症状・治療の案内

梨状筋症候群の方の様子

病理・病態

上肢の末梢神経障害と同様に解剖学的特性による部分が大きい。症例全体の約40%は解剖学的破格を背景として発症する。解剖学的破格を伴う場合は絞扼により発症するが、それ以外では炎症・癒着・腫瘍などのさまざまな要因で発症し、これらの梨状筋部の坐骨神経障害を総称して梨状筋症候群と呼ぶ。

原因(一例です)

1:外旋筋群と坐骨神経の解剖学的破格(右図)

2:梨状筋周辺の炎症・癒着

3:血管異常または腫瘍

4:TKA後など後天的な解剖学的異常

5:筋膜の硬直

解剖学的成因について

Beaton(1938)は240例の部検の結果、梨状筋(piriformis.m)と坐骨神経(sciatic.N)の関係をType a~fに分類した。分類上aが解剖学的に標準的で90%、b:7.1% c:2.1% d:0.8%と続く。e,fは理論上のみで実際には存在しないとされる。

Pecinaはbについて21%という部検結果を報告し、梨状筋が明らかに分かれているもの16%と不明確なもの5%に分類した。前者をさらに筋性10%、腱性6%に区分し、これらの中でType b divided,teninousなものが最も梨状筋症候群を生じやすいと報告している。

また、Pecinaは脛骨神経と総ひ骨神経の分岐高位についてHigh level division(A)が全体の28%、このタイプでは総ひ骨神経が梨状筋の中、もしくは上方からかなり高率で現れると報告している。

 症状 

1:下肢への放散痛を伴う殿部痛

2:Valleix点の圧痛極めて強い→長時間の座位保持困難

3:大殿筋萎縮

4:股関節外旋位での歩行

5:腓骨神経領域での運動知覚障害

5は神経学範囲では腓骨筋領域に症状が認められることが多い

まとめ

「梨状筋症候群」とは梨状筋の拘縮等によって坐骨神経が圧迫されることで生じる疾患であるとされている。

主たる原因としては臀部打撲や股関節捻挫等の外傷によるものと、いわゆるスポーツ活動等に伴うオーバーユースによるものとに分けられる。

梨状筋症候群の症状は、臀部の痛みや足先まで放散する痛み、痺れ等であり、いわゆる(根性)坐骨神経痛と同じ症状を呈することが多いが、痛みや痺れ等がみられなくても歩行時における跛行や膝に力が入らなくなる等の症状を呈することもある。ま

た、同様の症状を呈する代表的な疾患に腰椎椎間板ヘルニアがあり、これらの症状との見極めが重要となる。

梨状筋症候群はレントゲン検査では異常所見を特に認めず、腰部レントゲン、MRI検査を含めた画像診断によって、症状の確定が行なわれる。さらには、梨状筋周囲に局所麻酔剤を施し、症状が改善されればその症状が確定される。

上述の通り多くのランナーがこの梨状筋症候群に悩んでいるといっても過言ではない。
ランナーにおける梨状筋症候群は、いわゆるオーバーユースが原因であると考えられ、梨状筋のストレッチング等の対処が一般的であるが、これまでに私が関わってきたランナーの状態ならびに自分自身の経験を踏まえて考えれば、何らかの理由によって股関節外転筋の体重支持(骨盤支持)機能が低下することが原因であると考えられることから、梨状筋のストレッチングと共に片脚での体重支持(骨盤支持)機能を担う股関節外転筋の一つである中殿筋の強化が必要であると考えている。

股関節外転筋の体重支持機能低下がみられた場合においては、足底アーチの沈み込み、骨盤の状態などもその原因であることが予想されることから、これらの状態を見極めた上で対処をすることが望ましいといえるだろう。


以上を整理すると、私が現段階で考える梨状筋症候群の改善方法は、

・梨状筋のストレッチング・中殿筋の強化・足底筋の強化・骨盤のアライメント改善
となり、最終的にはランニング動作中の支持期における体重支持機能の改善・強化であるといえる。
しかしながら、ランニング動作中の支持期における体重支持機能の低下を引き起こす原因は、単純に上述した筋肉の筋力低下だけではなく、これら筋肉の神経支配が何らかの理由によって抑制されていることも考えられるため、より包括的な対処が必要になることはいうまでもない。 

参考文献

  1. 村上正純:筋・骨格系疾患による痛み 梨状筋症候群.Pain clinic20(supple):112-114,1999
  2. 萬納寺たけ智:脊椎4梨状筋症候群.整形・災害外科25(12):1759-1763,1982
  3. 本間光正:骨盤外坐骨神経障害-梨状筋症候群-.神経内科18(6):560-566,1983
  4. 進藤隆康ら:梨状筋症候群の4例. 整形・災害外科34(2):516-519,1985
  5. 冨岡正雄ら:梨状筋症候群の手術症例の検討.中部整災誌41(4):963-964,1998

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