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パーキンソン病にリハビリ整体

パーキンソン病にストレッチを

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パーキンソン病の方が通院する整体院・整骨院信玄が、概要、症状をまとめました。

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目次

定義

パーキンソン病は中脳黒質の変性を主病変とする原因不明で進行性の神経変性疾患である。 黒質から線条体へ投射されるドーパミン作動性ニューロンの変性によって、錐体外路系の機能不全が生じる。

分類

パーキンソン病の分類は、後に説明するパーキンソン病の徴候に類似した徴候をパーキンソニズムと呼び、その原因により、特発性パーキンソニズムと症候性パーンキソニズムに分けられる。

1.特発性パーキンソニズム(原因不明)

1) パーキンソン病

2) 若年性パーキンソン病(40歳以前に発症した場合)

 2.症候性パーキンソニズム(明らかな原因あり)

1)脳血管性

大脳基底核を中心とする部位に脳梗塞が多発して生じる。パーキンソン病と比較して本症では歩行障害が前景に出るが、典型的な安静時振戦はみられず、L-ドーパはほとんど 効果を示さない。

2)薬剤性

向精神病薬・血圧降下薬などの投与によって発症する錐体外路症状である。 特徴としては両側性の症状があり、急速に悪化するが投与を中止すれば軽減する。

3)中毒性

一酸化炭素、マンガンなど

4)脳炎後

流行性脳炎や日本脳炎やその他の脳炎の後遺症として生じるもので、臨床症状はパーキンソン病に類 似しているが、特に自律神経症状が強い。 病理学的には黒質主体の変化があり、パーキンソン病に類似するが、Lewy小体よりもタウ蛋白であるneurofibrillary tangle の変化が多い。

5)脳腫瘍

6)頭部外傷後

7)神経変性疾患

   a.線条体黒質変性症

   b.進行性核上麻痺

   c.オリーブ橋小脳萎縮症

   d.Shy-Drager症候群(脊髄小脳変性症)

   e.パーキンソニズム認知症症候群

   f.Alzheimer型老年認知症

   g.その他(びまん性Lewy小体病、淡蒼球黒質ルイ体萎縮症、進行性淡蒼球変性症)

発症率と好発部位

 本症の発症年齢は50~60歳代が最も多いが、その幅は20~80歳くらいと幅広い。有病率における男女差や人種差はほとんど認められないとされている。わが国の調査では人口10万対100~120人程度である。本症の病態の中核は、黒質緻密層の変性によるドーパミン産生の低下である。この結果、黒質線条体ニューロンの軸索を流れて線条体に輸送され貯蔵されるドーパミンの枯渇が生じて起こる。

成因

原因はいまだ不明である。
なんらかの原因によって黒質線条体路においてドーパミン代謝に関与する酵素(チロシン水酸化酵素・ドーパミン脱 炭酸酵素など)の活性が低下する。 特に黒質から線条体へ投射されるドーパミン作動性ニューロンの変性によって、錐体外路系の機能不全が生じる。

病理


パーキンソン病は孤発性と家族性があり、孤発性が大多数を占めている。
孤発性パーキンソン病の発生機序は黒質細胞内における酸化的ストレスとミトコンドリア障害の惹起が重要でそれが細胞自滅シグナルを誘導し、神経細胞死をゆるやかに進行させていると考えられているが、これを最初に引き起こす原因は未だ解明されていない。
一方、家族性パーキンソン病は単一遺伝子異常で起きるものが大部分であると推定され、原因遺伝子の特定はまだなされていない。

1,脳の肉眼所見


パーキンソン病では脳の外表には病的な変化は認められないが、脳幹の内部に特徴的な変化が認められる。
正常の成人の脳では、中脳の黒質と橋の青斑核が黒く見えるが、パーキンソン病では黒質と青斑核は黒褐色の色を失っている。

2,組織学的所見

(1)メラニン含有神経細胞の脱落


中脳黒質は神経伝達物質のひとつであるドーパミンを含んでおりここから神経の投射系により線条体(皮殻、淡蒼球)に送り出している。ドーパミンはいわば、線条体の潤滑油のような役割を果たしており、潤滑油の切れた状態とでも例えることができる。

(2)レビー小体の出現


パーキンソン病の黒質や青斑核では神経細胞の胞体内に円形で周囲が白く抜けてみえる封入体が認められ、レビー小体(Levy body)と呼ばれている。レビー小体は神経細胞の胞体内に加え、突起の中(その多くは軸索)にも形成される。電子顕微鏡ではレビー小体は異常なフィラメントの集合として認められる。
レビー小体は黒質および青斑核では100%の症例に認められ、さらに視床下部、マイネルト核、迷走神経背側核、脊髄中間質外側核、末梢交感神経節、内臓自律神経系にも高頻度に認められる。パーキンソン病では中枢神経系における自律神経核や末梢自律神経系にレビー小体が出現するため症状で述べる自律神経障害を呈するのである。

臨床症状

 パーキンソン病の症状は、振戦、筋固縮、動作緩慢・寡動(無動)、姿勢反射障害の4大徴候、歩行障害、起立性低血圧などの自律神経症状、精神・心理症状、その他に分けられる。症状の種類や程度は人によって差があり、これらの症状が全て現れるわけではなく、症状や程度は人によって異なる。

4大徴候

振戦

 4~7Hzの規則的な振戦が、動作時よりも安静時に不随意運動として起こりやすい。睡眠中には停止する。振戦は主に手指に出現するが、下肢、舌、下顎、口唇などにもみられる。手指にみられる症状として、母指と中指や示指をすり合わせるような反復運動で、丸薬を丸めるような特徴的な不随意運動を丸薬丸め運動という。錐体外路の運動障害は運動過多と運動減少に分けられるが、振戦は運動過多の症状の一つといえる。

筋固縮

 四肢を他動的に屈曲・伸展した際に、筋の伸張の初めから終わりまで持続的に生じる抵抗として出現する。また、他動的な屈曲・伸展力にあまり抵抗を受けずに一定の速度で伸張することも特徴である。本症では、他動的に筋を伸張すると、歯車が引っかかりながらゆっくり回る“がくがく”したリズミカルな抵抗を示しながら伸張する歯車様固縮(歯車様現象)が見られることが多い。また、同じく他動的に筋を伸張した際、鉛の管を曲げたときのような抵抗を感じることがあり、その現象は鉛管様現象と呼ばれている。

動作緩慢・寡動(無動)

動作緩慢は運動の速度、反応時間の遅延などを指すが、これは本症患者の日常生活動作(ADL)を阻害する大きな因子である。例えばスプーンを口に運ぶことは可能であるが、その動作はゆっくりであり動作を開始するまでにかなりの時間や努力を要するため、食事動作としての実用性を喪失している場合などである。

また、椅子に座っている際、足を揺らし、指を動かす動作が少なくなり、腕組み、会話中の手振りなど日常的なしぐさが減少する。まばたきが少なく、無表情(仮面様顔貌)となることも特徴的であり、このような動作量の減少を寡動(無動)という。

姿勢反射障害

 パーキンソン病患者の姿勢の特徴に、体幹は前屈、肘と膝は軽度屈曲を呈す前傾前屈姿勢があげられる。また長時間椅子などに座っていると、徐々に後方や側方に体幹が傾き始めても、立ち直りは起こらずに、傾いたまま倒れそうで倒れない状態でいることがみられる。これを斜め徴候と呼ぶこともある。

また、立ち直り反応や平衡反応の低下などの姿勢反射障害に、筋固縮、寡動が相まって、姿勢調節機能が低下し、転倒の危険性や基本動作障害が強まる。例えば立位の患者を急に押すと、倒れそうになりながら小刻みに数歩足を送り、止まれなくなる突進現象があげられる。

歩行症状

 歩行開始時の第一歩がなかなか踏み出せない、いわゆるすくみ足(frozen gait)、足を床にするようにして歩く、すり足歩行(shuffling gait)、歩き始めても腕を振らず歩行スピードも遅い、方向転換が困難であるといった特徴的な現象がみられる。また、歩幅がかなり狭くなってしまう小刻み歩行や、歩いているとスピードを加速していってしまう加速歩行などの現象もみられる。

自律神経症状

 脂漏性顔貌、起立性低血圧、膀胱障害(尿が出にくいなど)、発汗多過、浮腫、便秘などがあげられる。

精神・心理症状

痴呆Dementia、抑うつDepression、せん妄Deliriumが見られ、これらは3D症状といわれている。他には不安焦燥、知的低下、幻覚、身体的な愁訴などが指摘されている。

その他の症状

構音障害(声はやや甲高く、声量は少なく一様)、書字障害(震え文字、小字症)などがある。

診断

診断は症状に基づいて行われる。通常はかすかに始まるため、医師にも早期の診断は困難である。特に高齢者では、パーキンソン病と同じ症状(平衡感覚の喪失、緩慢な動作、筋肉のこわばり、前かがみの姿勢など)がいくつか現れるため、診断がより困難になってくる。また直接的に診断を確定できる検査や画像診断はないが、症状の原因となりうる構造的疾患を探すために、CT検査やMRI検査が行われる。パーキンソン病の治療に使う薬で症状が改善すれば、パーキンソン病であるとほぼ診断される。

またパーキンソン病と似た症状を示す病気があるので、それと区別するために検査を必要とする。最も重要な検査は脳腫瘍や硬膜下血腫などが鑑別できるCT検査・MRI検査である。もしパーキンソン病であれば、血液検査などの一般臨床検査や、X線検査、CT検査、MRI検査などで異常がみられない。

パーキンソン病の症状のうちのいくつかの症状があることをパーキンソンニズムといい、これはパーキンソン病を含む広い概念である。つまりパーキンソン病はパーキンソンニズムを示す病気の一つといえる。パーキンソン病以外のパーキンソンニズムには脳腫瘍のような外科手術で良くなるもの、薬の副作用に因るもの、パーキンソン病以外の変性疾患がある。

この中で、注意が必要なのは、外科手術で治るものと薬の副作用によるものである。向精神薬や消化器系の病気の治療に使われる胃腸薬、血圧を下げる降圧剤などを飲み、パーキンソン病に似た症状が出る場合がある。

パーキンソン病の症状はあまり進行しない良性のものが約10%にみられるとされるが、一般にはほとんどの例が次第に進行する。病状の進行度は日常生活能力を主体として評価される。障害の重症度の指標として一般によく用いられるのは、Hoehn-Yahr(ホーエン・ヤール)の重症度分類である。

ヤールの重症度分類 生活機能障害度
(異常運動疾患調査研究班)
ステージ1
一側障害でからだの片側だけの振戦、固縮を示す。軽症例である。 1度 日常生活、通院にはほとんど介助を要さない。
ステージ2
両側性の障害で、姿勢の変化がかなり明確となり、振戦、固縮、寡動~無動ともに両側にあるため日常生活がやや不便である。
ステージ3
明らかな歩行障害がみられ、方向変換の不安定など体のバランス障害がある。日常生活動作障害もかなり進み、突然現象(小走りとなり、転んでしまう)もはっきりとみられる。 2度 日常生活、運動に介助を要する。
ステージ4
起立や歩行など日常生活動作の低下が著しく、労働能力は失われる。
ステージ5
完全な廃失状態で、介助による車椅子移動、または寝たきりとなる。 3度 日常生活に全面的な介助を要し、歩行、起立不能。

図2 Hoehn-Yahr(ホーエン・ヤール)の重症度分類

参考文献

1)石川齊/古川宏他編:「図解 作業療法技術ガイド」 文光堂

2)奈良 勲/鎌倉 矩子著:「標準 理学療法学 作業療法学 神経内科学」 医学書院

3)野村総一郎編:「標準精神医学」 医学書院 

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