野球をしていてこんな思いをしていませんか?
・肩が痛くて投げられない・・・
・上には挙がるけど、強く投げるとズキズキする
・キャッチボール程度ならできるが、試合が出来なくて悩んでいる・・・
これって「野球肩」なの?「野球肘」なの?このページでは、前半に「野球肩」、後半に「野球肘」の説明をします。
野球肩は総称であり、腱板損傷、関節軟骨損傷などといった診断名が付きます。投球動作時でどの部位に、どんな痛みがあるかで、適切なリハビリ、整体方法が変わってきますので、以下にまとめました。
このページでは野球肩・肘の原因、治療(リハビリ)法、お勧めの整体をご紹介しています。その為、野球をしている方(特に学生、社会人の皆様へ向けた)にお勧めの内容です!
「野球肩」とは
主な野球肩の診断名をご紹介します。お医者様にこのような事を言われた方は、下まで読み進めて下さい。
・ 肩峰下滑液包炎
・ 腱板損傷
・ 上腕二頭筋腱炎
・ 関節上腕靭帯損傷
・ 関節唇障害
・ 肩関節不安定症
・ 関節軟骨損傷
・ 有痛性Bennett病変
・ 肩関節周囲筋付着部炎
・ 肩甲上神経障害 etc
概説(はじめに)
投球障害肩(野球肩)とは,投球動作に伴う痛みのために思うようにボールが投げられない状態,つまり投球を障害する病変を持っている肩の総称である.野球だけでなく,テニスのサーブ,バレーボールのアタック,槍投げなどでも同様の障害が発生し,これらにおける肩の障害は広い意味での「投球障害肩症候群」に含めることができる.投球動作は,下肢・体幹・上肢と身体全体で産み出したエネルギーをボールに伝達する運動であり,肩に非常に大きい負担が繰り返しかかることは容易に想像がつきます。
どんな機能が投げるのには必要なの?
肩関節には肩甲上腕関節(狭義の肩関節),肩峰下関節(第2肩関節),肩鎖関節,胸鎖関節,肩甲胸郭関節の5つがあります。
これらは肩複合体と呼ばれ,複雑に関連し大きな三次元的可動性と安定性が得られるのです。
野球肩にはさまざまな病変が単独でまたは重複して存在するが,主に肩甲上腕関節と第2肩関節に発生します。
肩の不安定性と投球障害肩の関連が指摘されており,整体・整骨・理学療法を施行する上で肩甲上腕関節の安定化機構を正しく理解する必要があるのです。安定化機構は大きく静的安定化機構,動的安定化機構に分けられます。
腕を上げる動作、回す動作の関係性
肩関節では自然下垂位から最大挙上位に達するまで外転位では約90°の外旋運動が生じ,前方挙上では約20°の内旋運動が生じる。ほとど回旋運動が生じずに最大挙上位に達するような挙上面は前額面から前方60~75°といわれる.また肩甲棘の方向(前額面から30~45°前方)を肩甲平面(scapuar plane)といい,関節包や腱板などに捻れや歪みを発生せずに挙上できる位置であるという意見もある。さらに,上腕骨の機能軸が肩甲棘と位する挙上位(約165°)をzero positionといい,回旋が最小になる肢位といわれる。
投球動作のバイオメカニズムを知ろう!
①wind-up
投球動作開始からボールがグローブの中にある時期であり,非支持脚の膝が最も高く上がれるところまでである.この時期の筋活動レベルはいずれも低い.
②cocking
非投球側の手からボールが離れ,投球側の肩が最大後方位(トップポジション)になるまでをいう.支持脚の前足が地面に接地するまでをearly cocking,その後をlate cockingと分けることもある.early cockingは,肩関節が最大挙上・伸展位をとるため棘上筋・三角筋が収縮し,次に外旋位を保持するために棘下筋・小円筋が収縮する.ここでは下関節上腕靭帯のanterior bandが主たる前方へと静的安定化機構として働く。
③acceleration
肩関節が急激に内転・内旋されボールが離れるまでをいう.時間にして大リーグの投手平均で50msecといわれている.肩甲骨周囲筋は強く収縮し,肩関節の内旋,前方移動のため肩甲下筋・広背筋・大胸筋が強く収縮する.anterior bandからposterior bandが静的前方安定化機構として働く。
④ follow-through
ボールが手から離れて投球動作が終了するまでをいう.最終時期の肩関節の安定性は主に静的安定化機構に依存し,posterior bandを含む後方関節包全体の緊張が増大する。
投球動作チェックポイント【まとめ】
5. 投球動作と病態
late cockingにおいて
上腕骨頭に肩甲関節窩に対して前方へ変位する力が加わり前方へ亜脱臼しようとするため,IGHLC-関節唇-関節窩縁複合体および肩甲下筋の付着部での損傷や炎症,前方関節唇,関節上腕靭帯の炎症・弛緩・断裂を生じる。これが投球時の上腕骨頭の前方への不安定化を招くことになり,結果的に前方亜脱臼傾向が烏口肩峰による腱板の圧迫を引き起こす。また,前方不安定性があると投球時に筋活動のアンバランスが認められ,肩甲上腕リズムの破綻によりさらなる障害の発生も考えられる。
accelerationにおいて
腱板機能が低下してくると,水平外転位からのすばやい内転と過外旋位からの内旋に対して骨頭を関節窩に保つことができなくなり,骨頭の不安定性が生じる。そのため腱板は烏口肩峰アーチにおいて圧迫,摩擦を受け,充血や浮腫を生じてくる(腱板炎).このような腱板および滑液包の炎症が慢性化すると,非可逆的な肥厚や癒着といった変化を生じ,滑液包が十分に滑動をおこさなくなってくる(肩峰下滑液包炎)。また,accelerationにおいては身体の重心が前方に移り,体幹が回旋するときに上腕二頭筋長頭腱に負担がかかリ,炎症が生じる。
follow-throughにおいて
ボールが離れた直後は上肢の動きが急激に減速されるため後方構成体に大きな負荷がかかり,棘下筋を中心に腱板炎や腱板不全断裂が生じる。また上腕二頭筋長頭腱にも張力がかかるためその付着部である上腕二頭筋関節唇複合体の剥離や断裂も生じやすい。後半では,肩関節が内旋することに加え上腕骨頭が後捻しているため,上腕骨頭には後方へ亜脱臼しようとする力が働く,その結果,後方関節包や関節唇へ張力が加わり,同部の炎症・弛緩・断裂をおこし,上腕骨頭の不安定性を招いたり,関節窩後下縁の骨増殖(Bennet病変)をきたしたりする。
【関連サイト】
肩痛・五十肩にお勧めの整体院 信玄
体の評価のポイントとは?
・ 問診…疼痛部位,その発生相,急激or緩除,どうすると痛むか
⇒圧痛が大結節より前方――棘上筋腱板炎,損傷
後方――棘下筋 〃
結節間溝部――――上腕二頭筋長頭腱炎
・ 疼痛誘発テスト…外転挙上テスト,外旋抵抗テスト,内旋抵抗テスト,Yergasonテスト,Speedテスト,impingementテストなど.
・ 関節可動域テスト…肩甲上腕関節(end feel,疼痛)と肩甲胸郭関節,肘・前腕・手関節・股関節,関節内の遊び
・ 筋力評価…棘上筋と棘下筋の萎縮にも注意,筋緊張
・ 動揺性…anterior apprehensionテスト,posterior apprehensionテスト,inferior apprehensionテストなど.
・ 運動連鎖的評価…肩甲上腕リズム,上肢‐体幹運動の協調性など
・ 競技動作の評価…投球動作時の評価など
治療・整体プログラム
可動域改善のために
関節可動域訓練
関節可動域測定や肩甲骨のアライメントの計測,筋肉の触診などによって関節包,筋の拘縮などがどの程度生じているのかを評価する。
関節包や筋の拘縮(後方・下方関節包,僧帽筋上部,大円筋,小円筋,大胸筋,小胸筋,広背筋など)に対し痛みを伴う炎症症状が激しい時期から物理療法と併用し,痛みや筋スパズムのない範囲で徐々に可動域を拡大させていくようストレッチングする。また振り子運動による肩甲骨を含めた肩のリラクゼーションも行う。
肩関節が複合関節であることから肩鎖,胸鎖,胸肋関節のモビライゼーションや徒手療法として三角筋,斜角筋,小胸筋,棘下筋,棘上筋,僧帽筋上部線維に対して行うと有効である。
【関連サイト】むち打ちのストレッチ法【5選】を紹介
その他
・ リズミックスタビリゼーション
・ テーブル上で上肢を支持しての肩甲骨内外転
・ 体幹と股関節伸展ストレッチ
・ 上腕骨頭後方へ持続的にシフトさせるための徒手的操作(肩甲上腕関節の前部に強い炎症症状)
・ 他動屈曲運動
・ 上腕骨頭を下方へスライドさせる関節モビライゼーション
・ 内旋方向へのストレッチ
・ 肩甲帯伸展,肩関節水平外転方向へのストレッチ
【関連サイト】
肩痛・五十肩の方
YBS〜てててTV〜簡単!肩甲骨ストレッチの紹介
筋肉の機能改善のために
腱板筋群トレーニング
炎症急性期(肩峰下滑液包や腱板などの炎症所見がある場合)には一般的に行われている上腕下垂位でのチューブやダンベルを用いた等張性収縮は関節運動を伴うため,かえって炎症の増悪や治癒機転の阻害を招く恐れがあり好ましくない。この場合,等尺性収縮で関節運動を伴わない運動を行うべきである。
炎症慢性期(炎症の軽減や痛みのコントロールが可能となった時期,超音波検査による肩峰下滑液包炎・腱板炎の軽減または消失)からはゴムチューブなどの張力の弱いものでトレーニングする.
コンディショニング期はゴムチューブでのトレーニングから段階を上げてダンベルなども用いる。
肩甲骨周囲筋に対するトレーニング
肩甲胸郭関節は機能的関節とされ肩関節疾患(肩インピンジメント症候群)におけるこの機能不全は調和のとれた腱板機能を阻害する。
これらはmuscle imbalanceとして広く知られ,腱板訓練と同時に筋を再教育し強化する必要がある。また肩甲胸郭関節での可動性,安定性を獲得させる目的から等張性,等尺性(筋肉を縮めながら力を入れること)での強化を図る。また持久性をまず第一に考え,後方の筋群においては特に遠心性収縮(筋肉を伸ばしながら力を入れること)を強調する。
その他
・ 棘上筋に対する筋力強化(ミリタリープレス)
・ 棘下筋,小円筋に対しては腹臥位での外旋
・ 肩甲下筋に対してはゼロポジションからの内旋
・ テーブル,壁を用いたCKC
・ 腹臥位や前屈位での運動連鎖的協調運動
局所の炎症症状にはRICE療法(安静・冷却・圧迫・挙上)
投球動作をゆっくり初めて段階で・・・
前述のトレーニングを痛みなく行えれば,シャドウピッチングで確認しながら徐々に投球の数と距離を伸ばしていく.
* 局所炎症症状に際してはRICE(安静,冷却,圧迫,挙上)処置や物理療法を行う。
こんな場合は注意(リスク管理)
① 局所安静の不履行
② 代償動作による他部位への悪影響
③ 過剰訓練,疲労
④ 環境因子の整備不足(用具等)
⑤ 早すぎるスポーツ復帰
かかりつけの先生と相談をしながら進めていきましょう!野球部の生徒は休めないことが多いです。その為、小まめな施術(毎日のように)が必要ですので、健康保険を使って通える整骨院もお勧めです。
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野球肘とは
一連の投球動作において野球肘の成因となるストレスは,加速期における肘屈曲位(60~90°)での外反力と,リリース期から減速期における伸展力である。
外反力に対する制動因子は,第1に尺側(内側)側副靱帯(UCL),第2に腕橈関節,第3に前腕の屈筋群である。
第1制動因子であるUCLには外反ストレスにより張力がかかり,成長期においてはまだ完全に骨化していない内側上顆のUCL付着部に骨軟骨障害が生じ,成長完了後はUCL実質の断裂が生じる.野球肘の中で最も多い。
次に多いのは第2制動因子である腕橈関節にかかる圧迫力による障害で,ほとんどが成長期に生じる上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎である。
第3制動因子である前腕屈筋群の付着部の障害は最も少ないが,UCLと同様に張力により生じ,UCL付着部の骨軟骨障害との鑑別が重要である。
また伸展力による障害は肘頭が肘頭窩にあたるインピンジメントや肘頭先端の離断性骨軟骨炎,尺頭疲労骨折などで,UCL損傷による靱帯不全が加わるとより肘頭の後内側がインピンジしやすくなる。これらの衝突刺激は骨棘の形成を助長する。伸展力に対する制動因子は上腕筋・上腕二頭筋などの肘屈筋である。
リハビリ・運動の流れ
保存療法,手術療法いずれの場合も競技復帰を達成するまでには,次のことをクリアする必要がある。
① 肘関節自体のコンディショニング(スムーズな関節可動性と可動域の獲得)
② 肘関節を正常に稼動させるための筋力の維持・回復
③ 投球障害の成因となる外力に拮抗する筋群のコンディショニング
④ 肩を含む投球側上肢の構成体の一つとしてのコンディショニング
⑤ 野球をするための体幹・下半身を含めた全身的コンディショニング
これらのステップのうち①,②はいわゆるメディカルリハビリテーション,③は投球障害の主因となる外反・伸展ストレスに対するコンディショニングを主眼とした局所のアスレチックリハビリテーション,④,⑤は投球動作を完成させる全身的コンディショニングを目的とした総合的アスレチックリハビリテーションである。より早期の復帰を目指すためにはそれぞれを重複させ,効率的なリハビリテーションプログラムを組む必要がある。
◎メディカルリハビリテーション
○障害部の保護,早期運動
○物理療法を併用しながら運動療法の促進
○ROM exercise
○筋力トレーニング
早期競技復帰へのポイント
野球肘に対する理学療法・リハビリをスムーズに進める鍵は
① 確実な外反・伸展ストレスからの保護
② メディカルリハビリテーション中に開始する肩・体幹・下肢のコンディショニング
③ 再発防止のための外反・伸展ストレスに対するダイナミックスタビライザー(外反力に対する前腕屈筋群,伸展力に対する肘屈筋の遠心性収縮)のコンディショニング
に集約される。
文献
野球肩
1) ハンドブック3巻
2) 小室透:投球障害と理学療法,理学療法MOOK9 スポーツ外傷と理学療法,24-31
3) 野球肩の病期別理学療法ガイドライン,理学療法,19(1),159-166,2002
4) 山野仁他:野球のスポーツ傷害,NEW MOOK整形外科 No.3スポーツ傷害,246-251
5) スポーツ障害.理学療法ハンドブックケーススタディー.協同医書出版社.905‐907,1994
野球肘
1) 臨床スポーツ医学編集委員会編:新版 スポーツ外傷・障害の理学診療理学療法ガイド.文光堂,東京,2003.